残業代対応FAQ

飲食店が残業代請求を受けやすい理由を教えて下さい。

 飲食店が残業代(割増賃金)請求を受けやすい一番の理由は、飲食店の経営者が残業代(割増賃金)を支払わなければならないという意識が低いことにあると考えています。
 飲食店の経営者に残業代(割増賃金)を支払わない理由を聞いてみると、
 「飲食店だから」
 「昔からこのやり方でやってきているし、問題になったことはない」
 「飲食店で残業代なんて支払ったら、店がつぶれてしまう」
 「そんなに残業代がほしいなら、転職した方がいい」
といった程度の理由しかないことが多く、当然ですが、労働審判や訴訟になれば、残業代(割増賃金)請求が認められることになります。上記のような認識を持っている飲食店の経営者は、これもまた自然なことですが、残業代(割増賃金)請求を受けると被害者意識を強く持つ傾向があり、そばにいて大変残念でいたたまれない気持ちになります。
 1番目の理由としては、労働時間が長いため、残業代(割増賃金)の金額が高額になりがちな点が挙げられると思います。店舗の営業時間は1日あたり8時間を超えるのが通常であり、仕込み作業が必要なこともあるため、少なくとも正社員については1日8時間を超えて労働させるケースが多くなっています。また、店舗物件の有効利用の観点から、店舗の休日が全くなかったり、週1日だけしかなかったりすることが多く、完全週休二日制で休日出勤無しのケースはむしろ珍しい部類に入ります。その結果、週の労働時間が40時間(特例措置対象事業場では週44時間)を超えることが多く、1日8時間超の残業代(時間外割増賃金)だけでなく、週40時間(特例措置対象事業場では週44時間)超の残業代(時間外割増賃金)を支払わなければならなくなることは珍しくありません。
 固定残業代制度を採るなどして、一応の残業代(割増賃金)請求対策が採られている飲食店もありますが、固定残業代制度に対して裁判所の厳しい判断が相次いでいる現状に対する認識が甘く、制度設計や運用が雑で敗訴リスクが懸念されるケースが数多く見られます。