残業代対応FAQ

労基法上の管理監督者とはどういうものですか?

 労基法上の管理監督者とは、一般に、「労働条件の決定その他労務管理について、経営者と一体的な立場にある者」をいうとされ、管理監督者であるかどうかは、労働条件の最低基準を定めた労基法の労働時間等についての規制の枠を超えて活動することが要請されざるをえない重要な職務と責任を有し、これらの規制になじまない立場にあるといえるかを、役付者の名称にとらわれずに、実態に即して判断されることになります。
 労基法上の管理監督者に該当する場合は、労働時間規制の対象から外れますので、時間外・休日に労働させても時間外・休日割増賃金の支払は不要です。ただし、深夜労働の規制に関する規定は適用されますので、管理監督者であっても、深夜に労働させた場合には深夜割増賃金の支払が必要となります。
 管理監督者に関する裁判例としては、日本マクドナルド事件(東京地裁平成20年1月28日判決)が有名ですが、「労働事件事実認定重要判決50選」において、西村康一郎裁判官は、「総店長」の管理監督者性を肯定した高裁判決であることぶき事件(東京高裁平成20年11月11日判決)を中心に次のように検討しています。

「労働事件事実認定重要判決50選」158頁(西村康一郎裁官(東京地裁民事19部)
 「管理監督者性が認められた裁判例は少ないのが実情であるが、肯定例の内容をつぶさにみると、いずれもさほど特異な例とは思われないし、行政通達で具体化された内容をみても、同様の印象を抱く。使用者側としては、どうせ管理監督者性は認められないから、などと過度に萎縮する必要はないものと思われるし、仮に管理監督者性が認められないとしても、裁判所に対し、企業の中での当該管理職の立ち位置を具体的に示し、その待遇としても十分なものが与えられていることを示すことは、付加金支払義務の関係においても意味のあることと思われる。使用者側としては、その意味で、企業内での当該管理職の序列なども十分立証して、裁判所の説得を試みるべきであろう。」